昔から別府では温泉噴気を「地獄」と呼んでいます。
「噴気」とは、高温の水蒸気が自力で噴出するものです。
沸騰点(1気圧で100℃)を超えて、過熱蒸気になっていることもあります。
また、一般に噴気には二酸化炭素や硫化水素が含まれています。
その現象は活発で、爆発的に湯や泥を吹き上げるものもあります。
そうした激しさ故に、別府温泉では「地獄」と呼ばれてきました。
別府温泉の象徴とも言える、高く立ち昇る「湯けむり」は噴気や沸騰泉の蒸気から生じるものです。
ちなみに、噴気や沸騰泉も温泉学的には温泉ということになります。そのため温度が沸騰点より低く、液体の温水として採取される温泉を、意味を明確にするために「一般温泉」と呼ばれることもあります。
もう一つおまけに、地獄も天国!
人々は、ただただ自然の猛威に恐れおののいていた訳ではありません。江戸時代の頃からこの地獄を生活に取り込む工夫をしました。それが地獄釜。地獄(温泉)から噴出する蒸気を調理に利用してきました。鉄輪あたりの温泉は食塩泉のため、ほんのりと自然な塩味が付いてとっても美味しいですよ。明礬温泉には地獄蒸しプリンもあります(*^^)v
明礬温泉の噴気は高温で硫化水素を含んでいます。
別府温泉の山間部に位置する明礬温泉の噴気は、二酸化炭素(CO2)・硫化水素(H2S)を含む水蒸気であり、水素(H2)・メタン(CH4)という大気中にごく僅かにしか存在しない化学成分を豊富に含みます。
このことは地下の高温条件下で生成したものであることを表しています。
噴き出す温度は源泉により違いがありますが、おおむね98℃前後となっています。
この温度と、この泉質でなければ湯の花は育ちません。
まさに奇跡のめぐりあわせパート2、この地で湯の花栽培が行われるのは神仏の計らいのような気がします。
by ひらおか