湯の花小屋での湯の花製造技術が、国の重要無形民俗文化財に

湯の花小屋での湯の花製造技術は、昭和42年、別府市の無形文化財に指定され、さらに平成18年3月には、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 
【 重要無形民俗文化財の指定 】

9 別府明礬温泉(べっぷみょうばんおんせん)の湯(ゆ)の花製造技術(はなせいぞうぎじゅつ)

(1) 文化財の所在地 大分県別府市
(2) 保護団体 明礬温泉湯の花製造技術保存会
(3) 文化財の概要

1. 文化財の特色
この技術は、湯の花小屋という製造施設をつくり、内部で温泉の蒸気である噴気(ふんき)と青粘土(あおねんど)を利用して湯の花の結晶を作り出すという特色ある民俗技術である。
2. 文化財の説明
この技術は、大分県別府市の明礬温泉で江戸時代より行われている湯の花を製造する技術で、製品である湯の花は、薬として飲用・塗布(とふ)されたり、入浴剤として利用されてきた。
 作業は、湯の花小屋づくりと小屋の内部で湯の花を結晶化させる作業に大きく分けられる。湯の花小屋は、噴気を通した小屋(こや)床(どこ)のうえに藁や茅で屋根を葺いたもので、内部は噴気が一定の強さでまんべんなく噴き出し、温湿度を一定に保ちやすい構造になっている。その小屋床に青粘土を敷き固め、噴気の強さを調節して内部の温湿度を一定に保つことで、湯の花の結晶を作り出す。
 このように本件は、温泉の沈殿物などを採取するのではなく、湯の花小屋という特殊な製造施設をつくり、内部で噴気と青粘土を巧みに利用して湯の花の結晶を作り出すという全国でも類を見ない貴重な民俗技術である。

文化庁ホームページ 1 解説 文化審議会答申 (無形民俗文化財関係)より

 

 

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