温泉がからだにいいわけ

温泉は体にいい

100万分の1の世界

 
温泉が普通の水と違うのは、その中にいろいうな成分を溶かしこんでいることです。
温泉そのものは地下水があたためられたものですが、それ以外にも、地下のマグマが冷やされた時に発生する水蒸気もたくさんまじっている、いわば、地球という大きなからだの内部から湧き出す“汗”のようなものなのです。
だから温泉の中には、地球が誕生した時から内につつみこんでいたいろいろな物質が溶けこんでいるのです。

ミネラル豊富な温泉現在では、そうした成分が70種類ほど析出されていますが、これから科学が発達するとともに、もっともっと多くの物質が温泉の中からみつかることでしよう。
ところでこうした物質-天然のミネラル-にはどんな働きがあるのでしょう。

九州大学・八田教授の研究によると、1kgの中にたった10万分の1g程度の銅の力で、肝臓のアドレナリンに作用して血糖を下げる働きがあるといいます。
また、同じ程度の亜鉛は、前立腺や膵・肝臓等に働いてホルモンの作用を活発にすることが証明されています。

人間のからだはこの世のどんな精密な機器よりも精巧に作られているといいます。
こうした自然のごくごく微量なミネラルの働きの中で、私たちのからだは上手に機能するように作られているのですね。
 

皮膚を通した“栄養”

 
また同教授の研究によれば、こうした人体に有用なミネラルはそれが必要とする臓器、例えば亜鉛は前立腺に、ヨードは甲状腺に…といった具合に、それぞれの臓器に蓄積されていくのだそうです。
いいかえれば、からだの中の臓器が生理的に多く含む元素を選んで吸収するということです。
しかもこのような働きは単純に一つのミネラルだけでなく、それらが助け合いながらより効果的、また複合的に作用し合っているのです。

温泉はからだの栄養温泉が古来からからだにいいとされていたのは、以上のようなとても微妙で繊細な私達のからだのメカニズムに深く根ざしていたからにほかなりません。
人間が食物から栄養をとるように温泉も私達の皮膚を通して、様々に有用なものを提供してくれていたのです。
従って温泉に速効性を求めるのは酷というもの。
ゆっくり時間をかけて、まるで植物が大地から滋養を得るように温泉をもちいなければなりません。
八田先生は、長時間に渡ってこうしたミネラルをとり入れることで、電撃的な効果は期待できないが、全体的なミネラルの量的増加が可能である…とおっしゃっています。

風邪や発熱に対する薬の役割を“部分的修理”とするなら、温泉の活用は“全体的なオーバーホール”と考えるべきでしょう。
何はともあれ、のんびりと湯につかることは気持のいいもの。
その気持の良さこそが、からだにいい証拠ではないでしょうか。
 

【温泉誕生のこぼれ話】

○鉱泉の分類
 

(1) 泉温の分類
鉱泉が,地上に湧出したときの温度,または採取したときの温度を泉温という。鉱泉を泉温により次のとおり分類する。
温泉泉 温
冷鉱泉25 ℃未満
低温泉25 ℃以上 34 ℃未満
温泉34 ℃以上 42 ℃未満
高温泉42 ℃以上

(2) 液性の分類
鉱泉の液性を湧出時の pH 値により次のとおり分類する。
酸性pH 3 未満
弱酸性pH 3 以上 6 未満
中性pH 6 以上 7.5 未満
弱アルカリ性pH 7.5 以上 8.5 未満
アルカリ性pH 8.5 以上

(3) 浸透圧の分類
鉱泉の浸透圧を,溶存物質(ガス性のものを除く)または凝固点(氷点)により次のとおり分類する。
溶存物質 (ガス性のものを除く) mg/kg凝固点
低張性8 000 未満-0.55 ℃以上
等張性8 000 以上 10 000 未満-0.55 ℃未満-0.58 ℃以上
高張性1 000 0 以上-0.58 ℃未満

 

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