ofclayのこと 温泉・銭湯のこと

低張泉はふやけやすく、高張泉は湯あたりしやすい

最後に「浸透圧」について書きます。

温泉は各種の塩類が溶けている液体で、「浸透圧」というものを持っています。
人間の身体を作っている細胞液と等しい浸透圧を持つ液体を等張液と言いますが、これは8.8gの食塩を1?の水に溶かした生理食塩水に相当します。
この等張液を基準にして温泉を比べると次の3つに分類されます。

低張泉 (8g/kg未満) 等張液より浸透圧の低いもの
等張泉 (8~10g/kg未満) 等張液と同じ浸透圧を持つもの
高張泉 (10g/kg以上) 等張液より高い浸透圧を持つもの

浸透圧は、2つの濃度が違った溶液を「仕切り」で分けた場合、濃度を一定にしようと、濃度の薄い溶液から濃い溶液に水分が移ろうとする力です。

一方、「仕切り」が水分だけでなく、溶解物質も通す場合は、濃い溶液の溶解物が、薄い溶液の方に移ろうとします。

したがって、理論上では「低張泉」は、サラサラしたやさしい湯という傾向があり、温泉の水分が体に吸収されやすいということになります。
反対に「高張泉」のほうは温泉の効能成分が体に吸収されやすいということになります。

低張泉の温泉で長湯すると皮膚がふやけやすいですが、梅干しのように水分が無くなってシワシワになるのではなく、その反対に皮膚の表面からいくらか水が浸透して、皮膚のごく表面の部分だけ伸びる一方、その下の部分は、変化がないのでしわができてしまうということです。
つまり体に水分を与えているというわけです。

高張泉は温泉基準の10倍もの成分を含んでいるわけですから、かなり濃い温泉ということが出来ます。
したがって、湯あたりしやすい温泉と言うこともできます。

20140328

つづきは「オブクレイと浸透圧について考えてみた

by ひらおか