ofclayのこと 温泉・銭湯のこと

入浴剤オブクレイの使用量はなぜ60gなのか?温泉法の温泉基準値

昨日の使用量の話の中でホウ酸について、ちょっと話足りない気がしますので補足です。

以前は“ものもらい”とかできると、目を洗うのにホウ酸水を使っていました。
僕も小さい頃の記憶の片隅にあるような気がします。
ゴキブリ退治のホウ酸団子が有名になってからは、殺菌力より毒性のほうがクローズアップされてしまい、いまは消毒などには殆ど使われなくなっているようです。

しかし、温泉からするとホウ酸はとってもいい働きがあるんです。
温泉法的に言っても浴水1kg中に5mgホウ酸が含まれていると歴とした温泉といえます。

現にこんな面白い温泉もあるんです。
埼玉県の百穴温泉
この温泉は湯温?水温も低く9.1℃。溶存物質も261.83㎎/㎏と、とっても薄い温泉なんです。
まったく温泉とは言い難い地下水に近いものです。
しかし唯一、ホウ酸の含有量が6.132㎎/㎏(しかもギリギリ、お風呂に換算すると200Lのお湯に1.2gホウ酸を入れた感じ)なので温泉といえるのです。
泉質名はありません。強いて言えば「含ホウ酸泉」と言うのでしょうね。
オブクレイのほうがホウ酸だけ見るとたくさん入っていますよ!

逆に、こんな濃い温泉もあるのです。
日本一ホウ酸の含有量が多い温泉として有名な温泉は、
新潟県の松之山温泉 349.5mg/kg

調べてみたら、もっと濃い温泉を発見。
北海道の豊富温泉
メタホウ酸 445.1mg/kg 強烈ですね。

他にも、
大分県臼杵市の六ケ迫鉱泉
メタホウ酸 306.2mg/kg

栃木県の塩原温泉
メタホウ酸 118.0mg/kg

こんなところが出てきました。

お風呂のお湯を200Lと仮定すると、それぞれを200倍することになり、
豊富温泉は約89g 松之山温泉は約70g 六ケ迫鉱泉は61g 塩原温泉でさえ約24gもホウ酸をお風呂に入れることになるのです。
オブクレイの粉を全部ホウ酸にしても足りませんね^_^;

しかし、「温泉法の200Lのお湯に対して1g以上」という基準はオブクレイはクリアーしていますヨ!

と言うことは?オブクレイは温泉法的に言っても温泉?

それは言い過ぎですよね、だって地中から湧いていませんから・・・。

アトピーに対するホウ酸を含む温泉の効果については、北海道立衛生研究所健康科学部温泉保健科長の内野栄治さんの論文をネットの中に見つけることが出来ました。

温泉の定義

地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、次に掲げる温度または物質を有するものをいう。
泉源における水温が摂氏25度以上。
物質名 含有量(1㎏中)
1 溶存物質(ガス性のものを除く。) 総量1000mg以上
2 遊離炭酸(CO2) 250mg以上
3 リチウムイオン(Li+) 1mg以上
4 ストロンチウムイオン(Sr++) 10mg以上
5 バリウムイオン(Ba++) 5mg以上
6 フェロ又はフェリイオン(Fe++,Fe+++) 10mg以上
7 第一マンガンイオン(Mn++) 10mg以上
8 水素イオン(H+) 1mg以上
9 臭素イオン(Br-) 5mg以上
10 沃素イオン(I-) 1mg以上
11 フッ素イオン(F-) 2mg以上
12 ヒ酸水素イオン(HAsO4–) 1.3mg以上
13 メタ亜ひ酸(HAsO2) 1mg以上
14 総硫黄(S)[HS-,S2O3–,H2Sに対応するもの] 1mg以上
15 メタホウ酸(HBO2) 5mg以上
16 メタけい酸(H2SiO3) 50mg以上
17 重炭酸ソーダ(NaHCO3) 340mg以上
18 ラドン(Rn) 20×10-10Ci以上
19 ラジウム塩(Raとして) 1億分の1mg以上

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by ひらおか