70キロのお父さんが7キロに
“液体に沈んだものは、そのものの体積と同じ液体の重さだけ軽くなる”
これが有名なアルキメデスの原理です。水の中だとからだが軽くなるのは、プールなどで経験されたことでしょう。これを“浮力”といいます。鋼鉄の船が水に浮かぶのもこの力。
たとえば、体重が50キロの人なら水の中では5.17キロに、70キロの人でもわずか7.13キロになってしまいます。お父さんを軽々おんぶできるのもうなずけますね。
陸上の10倍の運動量
こうした浮力のおかげで、体重の負担を受けることなく、足や腰、腕などが楽に動かせますね。体重が10分の1に減るということは、陸上の10倍の運動が水中では可能ということになります。これに温熱の効果が加わると、さらにまた痛みを感じにくくなるのです。リウマチや神経痛の方は少しでも結構です。おふろで手足を動かして、こわばった筋肉をほぐすようにしましょう。
人類の宿命“腰痛”
ふだん重いものをもちなれない人が、たまに力仕事をする時におそれるのがギックリ腰です。
人間は二本足で立った時から、腰痛とは切っても切れない仲になりました。
こうした腰痛の9割までが実は腹背筋という筋力が弱まることからおこります。
つまりオヘソの裏側から腰にかけての筋肉が弱り、血液の循環が悪くなることから、いっそう凝った状態になるのです。
お風呂の中で屈伸運動
こんな時「浮力」の力をかりましょう。
おふろの中で、ゆっくりと腰を曲げたり伸ばしたりしてみてください。
体重の負担がかからずに、陸上よりずっと楽に動かせるはずです。
こうすることにより、こわばった筋肉がほぐれ血行がさかんになり、腰痛はずいぶん改善されます。
ただし、無理に曲げ伸ばしすることはいけません。
昨日よりは今日、今日より明日を気長にくりかえすことが秘訣。
腰だけではなく、浮力を活用して大いにおふろ体操を実践しましょう。
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