一昨日、桃源郷温泉すぱ~ふるさんのご紹介をして、ちょっと気になったことがありました。
いい温泉という中で、源泉掛け流しを推奨する方は多いと思います。
しかし、本当に源泉掛け流しはいいの?と思いました。
例えば、湧出量が少ないのに源泉掛け流しにしていては汚れる一方ですよね。
すると、埼玉県で発生してしまったような事故が起きます。
では、どれくらいの湧出量があれば、掛け流しだけでいいのだろうか?と思いました。
以前に受けた講習の中で、中央温泉研究所の甘露寺泰雄先生は「循環浴槽の場合、1時間1ターン(循環)の循環容量が望まれる。」とお話くださったことがありました。
では、源泉掛け流し温泉の場合は、1時間で全てのお湯が入れ替わるくらいの湧出量が必要なのかと考えました。
すぱ~ふるさんはどうなんだろう?と計算。
154リットル/分ということは、1時間では9,240リットル。
男性浴場には湯船が3つ。合計すると約18,000リットルくらいは必要と思われました。
女性とあわせると36,000リットル。
4時間1ターンくらいの湯量という計算になります。
きっと、すぱ~ふるさんは循環と併用と思われるので、衛生的にも問題ないと思いましたし、いいお湯と感じることも出来ました。
ちなみに日本の温泉総湧出量は 2,772,022リットル/分 泉源数は28,033 【環境省(平成22年)】から計算すると1源泉平均湧出量は99リットル/分ということになります。
温泉評論家 石川 理夫先生は
一人当たり湧出量(湯量)も目安の一つ湧出量(配湯量)は、すべての温泉(源泉)毎に作成される温泉源泉台帳に記されているのに、これまで各宿や施設がいちばん情報公開をいやがって、掲示証では省かれていました。理由は自分の提供する温泉の良さに自信がないから。逆に湧出量を明らかにしている所は、温泉の良さを期待していいでしょう。
では、温泉の良さや湯のきれいさが期待できる湧出量(湯量)の目安は?
一つに、湧出量を宿泊収容定員数(部屋数×4人が平均)で割った、一人当たり毎分湧出量があります。これは全国単純平均で、2005年3月末時点で一人当たり1.925リットル。1以上あれば望ましい、と考えられています。もう一つ、大人一人がゆとりを持って入浴するのに必要な湯量は毎分0.545リットル以上とされています。
たとえば部屋数15室の小規模旅館なら、湧出量(配湯量)が毎分60リットル以上あれば一人当たり1以上。実際は満室は少ないので、これで男女別の内湯と小さな露天風呂程度なら、湯の良さも期待できるでしょう。
温泉ソムリエ家元 遠間 和広先生は
かけ流しにできる湯量があるか?チェックアウトからチェックインまでの間に、風呂を掃除し、お湯をためるだけの湯量があるかどうかということです。
つまり、少なくとも5時間以内で浴槽がいっぱいになるという湯量があるかということです。
そこで、「かけ流し方程式」を披露します。
大浴場にある一般的な桶は、3リットル弱です。(ここでは、2.8リットルとしておきましょう)
浴槽1帖あたりの湯量は風呂の深さにもよりますが、1立方メートルです。
これを前提にこんなことをします。
●浴槽の大きさが畳何帖分あるか?
●湯口から桶に温泉を入れ、満水になるまでの秒数を計る。
そして・・・「50秒÷帖数」で算出される秒数以内で、桶が満水になれば湯量は合格です。
※つまり、畳1帖分の浴槽が5時間で満水になるには、桶が満水になるのに50秒かかる湯量が必要ということです。
このように書いていました。
お宿さんには、この計算もひとつの目安かと思います。
源泉掛け流しの湧出量の定義を誰か作ってくださいませんか。
by ひらおか