温泉・銭湯のこと 近畿

号泣するほど行きたくなる温泉、城崎温泉。

湯村温泉からの帰り道、城崎温泉へもちょっと寄り道してきました。

2006年5月8日発行のヤンマガ第一号の「入浴一口メモ」に書いた出来事は実は城崎温泉での一コマでした。

 
.:*★入浴一口メモ★*:.
「なんでネギが温泉に浮かんでるんだ~?」と学生達が大笑い。
この子達は知らないんだな、こどもの日に一年間風邪を引かないように願いを込めて入る菖蒲湯の事を。
菖蒲は多くの精油成分を含んでるので、皮膚を刺激して血行を促進させる作用があります。
鎮痛作用もあり、腰痛や神経痛などもやわらげるといわれています。
菖蒲は香りも高いので、天然のアロマテラピー効果もあるといえるでしょう。
 

という事は11年ぶりの城崎温泉です。
年に100回以上も日帰りで行けるようになりたいものです。
でもそんなに行くのなら泊りで行かなきゃ損ですね。
文豪も愛した本当に風情のある町並みですから。

前回お邪魔した時は城崎温泉の顔でもある「一の湯」をいただきましたので、今回は「鴻の湯」をいただいてきました。
少し雨模様でしたが、雨の中で入る露天風呂も志賀直哉の小説「城の崎にて」を感じることもでき、そこに蜂や黄金虫などの死骸が浮かんでいたらなおさら良かったかもしれません。
温泉はナトリウム・カルシウム-塩化物泉 溶存物質4g/㎏とありました。
単純泉と間違えてしまうくらい、とてもあっさりしている温泉でのんびりくつろげる温泉でした。

鴻の湯の脱衣場にこんな掲示が掲げられていました。

 
入浴心得五首

○気持ちよくその湯に入らんとする時は、かかり湯をして体清めよ。
○浴室は、浮世の疲れ流すもの騒ぐは風流知らぬ者なり。
○借りし桶、元にもどすはここちよしお湯にも作法あると思へよ。
○脱衣所に、上がりし時は心して体拭くこそ大事なりけれ。
○湯につかる人の心は、おだやかに思いやりこそ、功徳なるかな。
 

今年3月に放送が終了してしまった東京FMのジャパモン所長 小山薫堂氏が提唱されていた「湯道」につながるものを感じました。
茶道 華道 香道につづく日本の文化になるといいですね。
ジャパモンもう一度再開しないかな~

 
城崎温泉こぼれ話

その1、城崎温泉といえば「外湯めぐり」
昔から城崎の人々は宿を客間、道を廊下とし湯治に訪れた人々を町全体でおもてなししてきました。この精神は今でも変わらず息づいています。
ゆかた姿に下駄の音が城崎温泉の風情となっています。

その2、城崎温泉の旅館の内湯が小さいわけ
外湯めぐりを大切にしてきた城崎温泉にも昭和2年に内湯を設置した旅館が誕生しました。このことは温泉地の伝統を壊すものとして「城崎温泉内湯訴訟事件」となり、20年以上にわたる司法も巻き込んだ紛争に発展しました。昭和25年に和解し現在は、内湯の設置を各旅館に認める代わりに、内湯の規模を制限し外湯文化を守っています。

その3、城崎温泉はどこの外湯も旅館の内湯もみな同じ
温泉資源を守るため1972年から新たに掘削した泉源を含めて全ての温泉を「温泉集中配湯管理施設」を構築し、上水道のように各外湯や各旅館にバイプを通じて供給しています。
この配湯システムの採用により、本来泉源ごとに多少の泉質の違いが有りますが、すべての源泉を一か所に集めてブレンドするため、城崎温泉の七つある外湯も旅館の内湯もすべて泉質は同じになりました。
 

by ひらおか